社労士(社会保険労務士)の仕事内容とは?

「社労士って何をする人?」「どんな時に頼めばいいの?」そんな疑問をお持ちの方に向けて、社労士の仕事内容を分かりやすく解説します。企業の人事担当者の方はもちろん、働く皆さんにとっても身近な存在である社労士について、詳しく見ていきましょう。

社労士とは?

社労士は人と企業をつなぐ専門家

社労士(しゃろうし)は、正式には「社会保険労務士」と呼ばれる国家資格者です。企業が成長するために必要な「お金」「モノ」「人材」のうち、特に「人材」に関する専門家として活躍しています。

社労士の使命は、労働および社会保険に関する法令が円滑に実施されるよう支援し、事業の健全な発展と働く人々の福祉向上に貢献することです。つまり、企業と従業員の両方を支える、いわば「働く人々の味方」なのです。

職場では採用から退職まで、様々な労働・社会保険に関する問題が発生します。社労士は、こうした問題に対して専門的な知識と経験を活かし、適切なアドバイスや手続きのサポートを行います。複雑な法律や制度を分かりやすく説明し、企業と働く人々の橋渡し役として重要な役割を担っています。

社労士の3つの主な業務

社労士の主な業務内容

社労士の仕事は、大きく分けて3つのカテゴリーに分類されます。それぞれ法律で定められた業務範囲があり、社労士だけが行える「独占業務」も含まれています。

1号業務:書類作成・手続代行

独占業務

労働社会保険に関する申請書類の作成や、行政機関への提出手続きを代行します。具体的には以下のような業務です。

  • 労働保険・社会保険の加入手続き
  • 雇用保険や健康保険の各種届出
  • 労災保険の給付申請
  • 行政機関の調査対応や主張の代理

これらは社労士だけが行える独占業務であり、専門知識を要する重要な仕事です。

2号業務:帳簿書類の作成

独占業務

労働社会保険に関する帳簿や書類の作成を行います。

  • 労働者名簿の作成
  • 賃金台帳の整備
  • 就業規則の作成・変更
  • 36協定などの労使協定書の作成

これらの書類は法律で作成が義務付けられているものが多く、正確性が求められます。

3号業務:コンサルティング

相談・指導業務

労務管理や社会保険に関する相談に応じ、専門家としてアドバイスを行います。

  • 人事制度の設計・見直し
  • 賃金制度の構築
  • 労務トラブルの予防と解決
  • 働き方改革への対応支援
  • 助成金の活用提案

近年、企業のニーズが高まっており、社労士の付加価値を発揮できる分野です。

具体的な仕事内容

社労士の具体的な業務

社労士の業務は多岐にわたります。ここでは、日常的に行われる主な仕事内容を詳しく見ていきましょう。

労働社会保険の手続き業務

従業員の入社時には雇用保険や健康保険、厚生年金保険の加入手続きが必要です。退社時にも同様に資格喪失の手続きを行います。社労士は、こうした煩雑な手続きを企業に代わって正確に、そして迅速に処理します。

また、年に一度の労働保険の年度更新や、社会保険の算定基礎届といった定期的な手続きも重要な業務です。これらを適切に行うことで、企業は法令遵守を確保できます。

就業規則・社内規程の作成

常時10人以上の従業員を雇用する企業には、就業規則の作成と労働基準監督署への届出が義務付けられています。社労士は、企業の実情に合わせた就業規則を作成し、法改正に対応した見直しも行います。

賃金規程、育児・介護休業規程、テレワーク規程など、各種の社内規程も整備します。これにより、労使トラブルを未然に防ぎ、働きやすい職場環境づくりに貢献します。

労務管理のコンサルティング

人事評価制度の構築、賃金体系の見直し、労働時間管理の適正化など、企業の人事労務に関する様々な課題について、専門家の立場からアドバイスを提供します。

近年では、働き方改革関連法への対応、同一労働同一賃金の実現、ハラスメント防止対策など、新しい課題への取り組み支援も増えています。企業の実情を把握した上で、実現可能な改善策を提案することが社労士の腕の見せ所です。

助成金の申請サポート

国や地方自治体は、雇用の促進や職場環境の改善を図る企業に対して、様々な助成金制度を用意しています。社労士は、企業が活用できる助成金を提案し、申請手続きをサポートします。

キャリアアップ助成金、両立支援等助成金、人材開発支援助成金など、制度は多岐にわたります。要件を満たす企業であれば、数十万円から数百万円の助成を受けられる場合もあります。

年金相談と手続き

老齢年金、遺族年金、障害年金など、公的年金制度は複雑で分かりにくいものです。社労士は、年金の受給資格や受給額の確認、裁定請求書の作成など、年金に関する相談と手続きを支援します。

特に、加入記録の確認や年金額の試算、繰上げ・繰下げ受給のシミュレーションなど、個々の状況に応じたアドバイスを行います。老後の生活設計において、社労士は頼りになる存在です。

紛争解決手続き(特定社労士)

特定社労士は、追加の研修と試験に合格した社労士で、労働トラブルが発生した際に、裁判によらない解決手続き(ADR)の代理人として活動できます。

解雇や賃金未払い、ハラスメントなどの個別労働紛争について、都道府県労働局のあっせん手続きなどで代理人となり、当事者間の話し合いによる円満な解決を目指します。訴訟よりも迅速で費用も抑えられるため、近年注目が高まっています。

社労士に依頼できること

企業が社労士に依頼できること

企業にとって、社労士は人事労務の心強いパートナーです。

  • 従業員の入退社に伴う保険手続きの代行
  • 給与計算や社会保険料の計算業務
  • 就業規則や各種規程の作成・見直し
  • 労働基準監督署や年金事務所の調査対応
  • 人事制度や賃金制度の設計支援
  • 労務トラブルの予防と解決策の提案
  • 助成金の活用提案と申請代行
  • 労働時間管理や勤怠管理の改善指導

特に中小企業では、専任の人事担当者を置くことが難しい場合があります。そのような企業にとって、社労士は社外の人事部門として機能し、コストを抑えながら専門的なサポートを受けることができます。

個人が社労士に依頼できること

働く人々にとっても、社労士は頼れる相談相手です。

  • 年金の受給資格や受給額の確認
  • 老齢年金の裁定請求手続き
  • 障害年金の申請サポート
  • 遺族年金の請求手続き
  • 労働条件や賃金に関する相談
  • 職場でのトラブル相談
  • 雇用保険の失業給付に関する相談
  • 労災保険の給付申請サポート

年金制度は特に複雑で、自分がいくら受給できるのか、いつから受け取れるのか分からないという方も多いでしょう。社労士に相談することで、将来の生活設計を具体的に描くことができます。

広島で社労士を活用するメリット

広島県内の企業や働く人々にとって、地域に根ざした社労士との関係構築には大きなメリットがあります。地域の経済状況や産業構造を理解している社労士は、より実情に即したアドバイスを提供できます。

広島県には製造業から観光業、IT企業まで多様な業種が存在します。それぞれの業界特性を理解した社労士であれば、業界特有の労務課題にも的確に対応できます。また、広島県や広島市が実施する独自の助成金制度についても、地元の社労士なら詳しい情報を持っています。

さらに、対面でのコミュニケーションが取りやすいことも重要です。労務問題は繊細な内容を含むことも多く、信頼関係を築きながら相談できる地元の専門家がいることは、企業にとっても個人にとっても安心につながります。

広島労働局や年金事務所など、地域の行政機関との連携もスムーズです。地域密着型の社労士なら、手続きの際の細かなアドバイスや、緊急時の迅速な対応も期待できます。

まとめ

社労士は、企業と働く人々の両方を支える「人」の専門家です。書類作成や手続き代行といった基本業務から、人事労務のコンサルティング、年金相談、さらには紛争解決まで、その業務範囲は非常に幅広いものがあります。

企業にとっては、複雑化する労働法規への対応や、人材を活かす職場づくりのパートナーとして。働く人々にとっては、年金や労働条件に関する身近な相談相手として。社労士は様々な場面で力になる存在です。

労働環境が大きく変化する今だからこそ、社労士の専門知識と経験を活用することで、企業は持続的な成長を、働く人々は安心して働ける環境を手に入れることができます。人事労務に関する悩みや疑問があれば、ぜひ社労士に相談してみてはいかがでしょうか。

社労士への相談をお考えの方は、お近くの社会保険労務士会または社労士事務所にお問い合わせください。